百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群

大阪平野の百舌鳥・古市（もず・ふるいち）古墳群は、古墳時代の最盛期である中期頃（4世紀後半～6世紀前半頃）に造られた49基の古墳群です。複数の地域、古墳で構成されるシリアル・ノミネーションとして世界遺産に登録されています。百舌鳥・古市は中国、韓国など東アジア諸国の交易地点でもあり、東アジアの国々と購入が行われていました。このことから、古墳からの出土品にも、他国の影響を受けた品が見受けられます。
特に有名なのは、15年かけて建設された「大仙古墳（仁徳天皇陵古墳）」であり、長さ約800メートル、幅約600メートルの世界最大の古墳です。古墳の形状は「前方後円墳（上空から見ると鍵穴のようなかたちをした古墳）」であり、仁徳天皇の古墳を中心に王族などの古墳が密集しています。百舌鳥・古市エリアでは前方後円墳の他に「帆立貝形墳」「円墳」「方墳」の古墳が発見されており、同時代に作られた古墳の多様性を見ることができます。
様々な副葬品からは、古墳の持ち主の社会階層や、当時の葬儀のシステムなどを伺い知ることができます。古墳時代初期の埋葬品の埴輪には円筒型しか見られませんが、百舌鳥・古市古墳から出土した埴輪の種類は主に5つあり、「人型」「動物型」「船型」「家型」「筒型」の埴輪が見られます。日本全国で各種の古墳が発見されていますが、百舌鳥・古市古墳群はその中でも古墳時代の建築、葬儀の文化を反映した遺跡であり、古墳時代の歴史を示す貴重な遺産として評価されています。

【構成遺産】
大阪府堺市
1）反正天皇陵古墳
2）仁徳天皇陵古墳、茶山古墳及び大安寺山古墳
2-1 仁徳天皇陵古墳
2-2 茶山古墳
2-3 大安寺山古墳
3）永山古墳
4）源右衛門山古墳
5）塚廻古墳
6）収塚古墳
7）孫太夫山古墳
8）竜佐山古墳
9）銅亀山古墳
10）菰山塚古墳
11）丸保山古墳
12）長塚古墳
13）旗塚古墳
14）銭塚古墳
15）履中天皇陵古墳
16）寺山南山古墳
17）七観音古墳
18）いたすけ古墳
19）善右ヱ門山古墳
20）御廟山古墳
21）ニサンザイ古墳

大阪府藤井寺市
22）津堂城山古墳
23）仲哀天皇陵古墳
24）鉢塚古墳
25）允恭天皇陵古墳
26）仲姫命陵古墳
27）鍋塚古墳
28）助太山古墳
29）中山塚古墳
30）八島塚古墳
31）古室山古墳
32）大鳥塚古墳
33）東山古墳
34）はざみ山古墳
35）墓山古墳（大阪府羽曳野市・藤井寺市）
36）野中古墳
37）浄元寺山古墳
38）青山古墳

大阪府羽曳野市
39）応神天皇陵古墳、誉田丸山古墳及び二ツ塚古墳
39-1 応神天皇陵古墳
39-2 誉田丸山古墳
39-3 二ツ塚古墳
40）東馬塚古墳
41）栗塚古墳
42）向墓山古墳
43）西馬塚古墳
44）峯ヶ塚古墳
45）白鳥陵古墳