イスタンブール歴史地域

イスタンブールはヨーロッパとアジアの接する場所に位置し、ボスポラス海峡を隔てて、アジア側のアナトリア半島とヨーロッパ側のバルカン半島があります。立地の重要性から、東西の文化交流・軍事拠点として活躍し、ローマ帝国、東ローマ帝国（ビザンツ帝国）、オスマン帝国の首都として栄えてきました。4世紀には東ローマ帝国の首都となり、都市は「コンスタンティノープル」と呼ばれていました。都市名は、ローマ皇帝コンスタンティヌスの都、と言う意味です。現在の都市名イスタンブールに改名されたのは、15世紀のオスマン帝国の支配下となった後からです。世界遺産に指定されている歴史地区は、ヨーロッパ側のバルカン半島にあります。
「アヤソフィア」は、東ローマ帝国時代に建設されたキリスト教の大聖堂です。15世紀のオスマン帝国時代にイスラム教のモスクに改装されたため、キリスト教時代のビザンティン建築とイスラム建築が混在しています。現在は無宗教の博物館として一般公開されています。「地下宮殿」は、ローマ帝国時代に建設された貯水槽であり、現存する東ローマ帝国の貯水池としては最大です。高さ9m、336本の大理石円柱が立ち並び、彫刻などきめ細やかな装飾がなされています。「トプカプ宮殿」は、15世紀～19世紀にオスマン帝国の君主の居城であった場所です。第7代皇帝メフメト2世により新宮殿として建設されました。正門である「帝王の門」の他に、宮廷の入り口である「挨拶の門」「幸福の門」「車の門」などで、宮廷のエリアが分けられています。敷地内は現在、歴史博物館として一般公開されています。
「ブルーモスク（スルタンアフメト・モスク）」は、オスマン帝国の第14代皇帝アメフト1世の建設したモスクです。オスマン帝国時代の代表的なモスクの一つで、内装が美しい青色のイズニック・タイルで飾られていることから、ブルーモスクと呼ばれています。6本のミナレットと直径約30mのドームをもち、旧市街を代表する建築物のひとつです。

【構成地区と代表遺産】
1）遺跡公園地区 : トプカプ宮殿、アヤソフィア、アトメイダヌ、スルタンアフメトモスク、地下宮殿
2）スレイマニエ・モスクと付属保護地区 : スレイマニエ・モスク
3）ゼイレク・モスク（旧パントクラトール教会）と付属保護地区 : ゼイレク・モスク
4）イスタンブール大城壁地区 : テオドシウスの城壁、カーリエ博物館